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仕事のお話を一寸 [医療]

麻酔科崩壊に関して。

つい2~3年前までは当院の麻酔科には5~6人もドクターが居て、全国的に見ても稀なくらいの充実振りだった。ことに部長は非常に慎重な人で、状態の良くない患者さんの緊急手術のときなどはプロの麻酔科医が3人くらいついてくれて至れり尽くせりの麻酔をかけてくれた。

ところがいろいろな事情があって一人抜け二人抜けして結局誰もいなくなった。

現在は非常勤の麻酔科医の先生と沢山契約して十分な数の麻酔科医に来ていただいているので手術に支障をきたすようなことはないし、世間の多くの病院のように、麻酔専門家でもない外科医が麻酔をかけるというようなレベルの低いことはしていないので島民の皆様は安心していただきたい(生きるか死ぬかの寸刻を争う超緊急時は例外)。

今になって考えてみると、過ぎたるは及ばざるがごとしというか、物凄く念の入ったサービスというものはそれでそれで素晴らしいことではあっても、結果的に続かないのでは一寸困る。工芸品の食器があったとして、芸術的な出来だとしても納期1年だとしたら毎日の食事に使うにはかえって使いにくい。職人の後継者が居ないとなると継続的な供給も不可能となってどうにもならない。

諺に、拙速は巧遅に勝るというのがあるが、部分的に突出した医療サービスを提供しても全体のバランスが偏ったのでは本末転倒という場合もある。全体のバランスということを広い視点で考えて、医療資源の過不足ない活用ということを現実的に計画していく必要があると痛感する今日この頃であります。

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