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内視鏡治療談話会 [医療]

県の内視鏡治療関係の研究会があった。

今回の特別講演のテーマは胃静脈瘤の治療、、、放射線科の立場で、カテーテルによる治療(専門的な名称ではB-RTO, TIPSなど)について。

私が医者になってウン十年たつが、この間の種々の医学の進歩の中でも、食道・胃静脈瘤の治療が手術無しでできるようになった、という部分は、自分が直接携わっている医療分野の中では最も印象的なものの一つである。腹腔鏡的手術などより遥かに患者さんにとってメリットがあったといえるくらい評価してもよいと思う。

私が医者になった頃、食道静脈瘤破裂というと風船で一時的に圧迫止血し、手術をするしか方法は無かった。肝臓が非常に悪い人にとってかなり大きな手術となるので、手術後に患者さんが亡くなることも珍しくなかった。

1985年頃から内視鏡で静脈瘤を固めて血を止める方法が使えるようになった。ごく初期には使用する薬品が国内では認可されていなかったので、ドイツから個人輸入して、税関まで出向いていろいろと書類のトラブルなど経験したことも懐かしい思い出である。

ドイツから直接買っていた頃は2000円くらいだった薬品が、業者が正式許可を取って輸入販売するときには10倍近い値段に跳ね上がったのには驚いたものであった。文字通り薬九層倍を実感したw

その後、食道に対してはゴム輪で静脈瘤を縛る簡便な方法が一般化し、放射線分野では最初に述べたような方法が普及し、、、最近では3D CTによって血管の詳しい状況が手に取るようにわかるなど、医学の進歩がますます実感できる昨今である。



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